oto-nari

ギターネック購入のメモ

Kojiro Tanaka (更新: )

これは何?

初めて海外製ギターネックを購入する時に気をつける箇所

2年前の自分に伝えたかったこと。Fender純正交換用ネックや、Warmoth,MightyMite等Fenderライセンスネックであればある程度ポン付けでハマるケースも多いのですが、原則として買う前にいくつか注意しておく点があります。

未塗装ネックを解決するXotic Oil Gelについて

「Xotic Oil Gel ネック」等で検索すれば先人の、あるいはプロの手によるネックの塗装手順が載っているが、私見としてのTipsをここにも書いておく

おすすめの塗り方(極薄重ね塗りサテン風仕上げ)

Freestone Guitars

Freestone Guitarsの2つのプロダクトについて

情報から汲み取れる範囲では、「Fender規格に沿ったCADモデリングデータを使って、CNCルーターで荒削りのち、フレッティングや研磨を行って出荷」というプロセスを踏んでいる。
このネックを手に入れる方法としては「Webサイトからスペックを指定してオーダー」するか、「ebay.comで入札して購入」の2通りの手段があります。

ebay.comで入札して購入

Webサイトに記載されている Lumber that does not make the cut will generally be repurposed for shop projects. が示すものがこれで、毎週金曜日の11時か12時(JST換算。サマータイムによる)に終わるオークションに週替りで10本くらい出品されます。
※格安スタートではない即決価格のアイテムもある
公式Facebookページで写真と共に告知されますが、写真に載ってるのにリストされていなかったり、その逆もあるのでebay.comを定期的にヲチるのが良さそう。

木取りは若干甘く、節が入っていたり木目に対して真っ直ぐ切られていなかったりと、公式サイトの文言を真に受けるなら「オーダー品に使わなかった木材を活用してユニークなネックを作ったよ」といったところで、選別落ちたる所以を感じる所ですが、日本への送料を含めても3万円に収まる(入札が少なければ)ので非常にリーズナブルです。
細かいスペックはまちまちですが、ギターのネックに限って言うと「ナット幅43mm、ヒール幅55.6mm(2 3/16″)、Jescarニッケルの.047″/.104″(#47104)、ヘッドストックにナットのあるトラスロッド、10mmチューナーホール、Cシェイプ」は共通していそうな感じ。グリップの厚さ(結構違う)、インレイ仕様、指板ラディアス(だいたい9.5″か12″)、指板の厚さは確認したほうが良さそう。

ナットの厚さに関してはは3.3mm~3.4mmの間くらい。ただしGraphtechのPQ-5043(3.35mm厚)がポン付けできるかというと地味に高さがあるため、よく手に入るTUSQの5043は高さが足りない。高さのある5010を買うのがベター。スロットの深さはフラットボトムで、1弦側で実寸2mm~2.5mm。モノによって若干バラつきアリ。GRAPHTECHは若干精度誤差があるので、3.3mmの製品だと若干隙間ができる可能性があるので、ESPのカーボンとかジュラコンナットや、海外の溝切り済ナット等3.4~3.5mm厚で整形されているモノを調整した方が現物合わせのリスクが低くて良いかも。

オプションとして出品されているオイル塗装($50)、ラッカー塗装($55)、フレットレベリングとエンド丸め($55)を同時購入することで仕上げてくれるみたいですがそのまま購入すると無塗装で、写真の状態で届きます。

Webサイトからスペックを指定してオーダー

Warmoth並にカスタマイズの幅が広い。公式HPにオーダーフォームがある。

値段的にはベーシックなメイプル/ローズのネックで$190開始となるものの、柾目ローステッドメイプルが選べたり希少材(キングウッドやパタゴニアンローズ等)を+数十ドルで選べるので、モリモリ選んでもお値段的にはWarmothよりかなり安く手に入る事になる(乾燥工程や材の選定などの品質を考慮しない)。
※ブラジリアンローズやホンマホは当然買えないとはいえ、タイガーウッドとかパタゴニアンローズ等、楽器としてはマイナーな材も揃ってるので念のためワシントン条約規制対象種のリストがアップデートされていないかどうか確認したほうが良さげ

個人的な評価

中華ネックを何本も買って絶望した経験から、以下の点で製品を評価できると思います。

無塗装ネックの場合、指板は#800、ネックボディは#220で仕上がっているので、塗装にあたってはグリップのあたりはサンドペーパーで番手を上げながら丁寧に磨き上げる必要がある。そのまんまでも結構良いフィーリングだけど、ほんの気持ちリシェイプして好みの握りに仕上げるのもアリ。私の場合はルーターの整形跡の様な円形の削り代が若干あったモノもあった(400番で削って落とせるレベル)。
指板の両端は面取りなく、ほぼ90度でキマってる感じなので、ネックの握りの調整やサイドスキャロップの程度など、プレーンな状態で届いて好みのセッティングに仕上げていく感じはかなりやりがいがある。
トラスロッドは最初ものすごく軽いので、好意的に捉えれば「狂いが無いよう丁寧に乾燥されている」し、逆に「ロッドと木材にかかるテンションが弱い分、人によっては最初、ネックの鳴りが悪いように感じる」ような印象。
ユニークな材のネックが安価で手に入り、安心できる加工精度をもって組み込めるので、楽器と向き合うアイテムとしては最高。

購入履歴

Canarywood on Cherry

ギターネック購入のメモ

当時の出品画像から引用

ギターネック購入のメモ

木目うねうね

ネック材ワイルドチェリー(Prunus serotina)、ブラックチェリーとも
指板材カナリーウッド(Tarara Amarilla)
重さ(無塗装)1 lb. 2.5 oz(524g)
12Fの厚さ.955″
指板R9.5″
フレットJescar #47104 NS

2023年頭にオークションで初めて買ったやつ。かなり板目ってる。
まずかなりの軽量。
若干ネックグリップの木目の年輪の箇所が陥没しており、少し神経質にリシェイプする必要があった。狂いは少なくすり合わせも最小限、10-46弦を張っても順反りはほぼ無く、ネック材としてのポテンシャルがチェリー材にはあるらしい。
北米のアチコチに生えてる木で気軽に手に入るにも関わらず、あまりチェリー材を使ったギターを見ない理由が分からなくなってくる(Godinの5th Avenueとかはボディが全部チェリーだけど、やはり独特な木目が目につくので、楽器用の木材が未だ潤沢である現在において優先して使う理由がない、という所なんでしょうか…)
音はメイプルともマホガニーとも言えないやや硬質な音。立ち上がりは良いので歪ませて使う分には個性として受け取れそうな感じ。

Xotic Oil Gelを適度に薄塗りを重ねてポリッシュ無しで仕上げた。Fat Cっぽい形状ではあるものの、弦を張ったときにメイプルネックと比較して順反りするので、個体差を考慮しても軽量、かつチェリーネックの場合はネックが動きやすいことに注意したほうが良いかも。

Bubinga on Hard Maple

ギターネック購入のメモ

当時の出品画像から引用

ギターネック購入のメモ

裏がかなり節ってる

ネック材ハードメイプル(Acer sacchrum)
指板材ブビンガ(Guibourtia)
重さ(無塗装)1 lb. 5.6 oz(612g)
12Fの厚さ.927″
指板R12″
フレットJescar #47104 NS

オークション形式で購入。大きめの節があるけど12Fだからセーフ。
前回買ったチェリーネックがかなり軽かった(524g)ので、重い個体がリストされていたので購入。ブビンガもローズウッドで括られているので王道スペックと言えるかもしれない。

写真は結構コントラスト強めで実際届いてみると薄い色のブビンガで安ギターのローズ指板よりも明るい色(うっすらまだら模様の杢が見える中途半端な感じがアウトレット)。メイプルネックの着色もオイルフィニッシュで艶を出すとこれはこれでアリといった程度。
ブビンガはかなり削りにくいが、サンドペーパーの120番で磨くと何故かつやが出る。

ギターネック購入のメモ

オイルフィニッシュ後の状態。フレットの溝は隙間があるので木工パテで仕上げる。

指板は12Rでそのままだと指板の角がかなり気になるので、フレットを保護しつつ申し訳ない程度のサイドスキャロップを入れてあげる。

ギターネック購入のメモ

ナットより先はオイルフィニッシュ。指板は未塗装の状態で、この後指板に蜜蝋ワックスを塗ったらいい感じにブビンガ色になってくれた。

トラスロッドはボディ側の6角。径は4mm。ネックヒールに上から細い棒を突っ込んで回すホイールナットの変換アダプタがESPが売り出されているので装着した(ナットを5mm径から4mm径に加工するのが結構しんどかった)。

Lacewood on Cherry

ギターネック購入のメモ

当時の出品画像から引用

ギターネック購入のメモ

最初に買ったチェリーネックよりはマトモな木目

ネック材ワイルドチェリー(Prunus serotina)、ブラックチェリーとも
指板材レースウッド(European Plane)
重さ(無塗装)1 lb. 3.9 oz(564g)
12Fの厚さ.941″
指板R12″
フレットJescar #47104 NS

指板は薄いタイプ。
レースウッドはどっちが柾目なのかよくわからないのですがいわゆるアミアミではない方が指板面に出てる感じ。ネックも指板も木目がパッとしない上にヴィンテージと似つかわしくない位風合いをしているのでどのボディと合わせるか悩ましい。
600番→800番で軽く研いでXotic Oil Gel10回塗りで仕上げたけど結構深めのチップがあったのでこのへんアウトレット理由だなという感じ(演奏性に問題は無いのでヨシ)。
取り付ける個体が無いので塗装上がりでしばらく寝かせる予定。

Zebrawood on Roasted Maple

ギターネック購入のメモ

当時の出品画像から引用

ネック材ハードメイプル(Acer sacchrum)
指板材ゼブラウッド(Microberlinia brazzavillensis)
重さ(無塗装)1 lb. 4.8 oz(589g)
12Fの厚さ.939″
指板R9.5″
フレットJescar #47104 NS

指板は普通の厚さで、アヴァロンインレイ入ってる。ゼブラウッドって明暗の「明」の部分が割とイエローに近いイメージなんですがこの個体は見方によっては細い木目のパーフェローに見えなくもないような…と思って実物が届いたのを見たところ普通にゼブラウッドだった。
ローステッドメイプルは闇属性入ってる。ローステッドメイプルの色はFender等の飴色よりちょい暗い程度のものからBacchus, Harley Benton等の暗めの程度のものまで色々あるのですが、実際バッカス未満Fender以上といった感じ。

ギターネック購入のメモ

細かくて伝わらないけど触ると分かるチップ

木目は悪くなかったんですけど1箇所チップあったんでその理由でオークション行きしたんでしょうか。指板は導管がちょっと目立つ感じだけど適当にヤスって蜜蝋ワックスで整えたらいい感じに。チップに関しても裏面だし手の触れる所じゃないのでパテで盛って整形すれば全然気にならんレベル。

ドハデな見た目をしているので遠目に見たときのインパクトがデカい。

シェア
← 記事一覧へ