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「AI教育」だけではエンジニアの生産性は上がらない

Kojiro Tanaka (更新: )

「AI教育」だけではエンジニアの生産性は上がらない

※この記事は人間が心を込めてタイピングしています

例題:物事の本質の順序を評価できない

「AI教育」だけではエンジニアの生産性は上がらない

今のコーディングエージェントは局所最適化が進みすぎている。どんなに優れたエージェント(Opus 4.7 xhigh/GPT-5.5 High)だろうと、ワンショットで文句のつけようのない実装を行えない。
例えば「サーバーのCPU負荷が100%になる障害の調査」で、障害検知の対象となるヘルスチェックのエンドポイントがエラーログとして露出している為に原因(現象を引き起こしている)と断定し、真因である「負荷の高いバッチ処理」の見直しを示唆しない。

AIは「確率的オウム」ではないが、浅い論理で閉じることがある

LLMは入力を保持するが、出力は入力から逸脱しない文脈で推論が出てくる。ここで言う「逸脱」は、過去の一般的な知識(というかベースモデルとして蓄えた知識)から導き出される通常の解と違う答えを出す事である。
つまり、例えばヘルスチェックの失格であればヘルスチェックの失格原因がエコーされるのが一般的ではあるので、異常系のハングに関する機序(別の系の処理がマシンを殺した)については沢山あるうちの一つのケースに過ぎず、AIの考えうる全ての因果に関して妥当性を考える、といった高コストな思考を放棄しがちである。

AIは到達可能なゴールから逆算する

次に、人間が「エラーを調査して対応せよ」といった丸投げパターンでAIに命じた時、AIが考えるのは恒久対応ではなく暫定対応であり、恒久対応に向けた調査、というのはAIの思考における優先順位においては冥王星ほど遠い。あとアテの悪い事を言う。
例えば高負荷障害における復旧地点がヘルスチェックの合格だとしても、人間ならば「とりあえずCPU時間かメモリ食ってるAPIを特定しないと話にならん」と言うであろう所を「ヘルスチェックを負荷ゼロのエコーAPIにすりゃいいんじゃね^^;」と言ってくる。
これを自動化されたエージェントのハーネスとして設計するなら「障害対応は時系列を整理し、ログやメトリクスから見れる因果を整理した上で真因を突き止めてから対応すること」といったガードを仕込むことで解決できるが、これを無数に仕込んでより最適なエージェントに育て上げるには、Skillsを構築する人間のスキルが必要になる。
頭のいい人達が考えるように、CLAUDE.mdにそういった誤ったワークアラウンドに対して自己学習のようにCLAUDE.mdの自己改変やスキル作成を命令する事で一定の改善フェーズを経た最適化はなされると思うが、職業エンジニアとして金貰ってやることじゃねえ趣味でやれ

目grepとマサカリとプロ根性

成果の求められないラボ型の業務や、グロースさせる必要の無い保守業務であればこんな話は「AIが対応を誤りましたが、何度かリトライすることで正しくなりました」と報告してオシマイである。つまり最低限の業務を成立させる要件として、「AIコーディングについてコマンドを学びましょう」は正しい。ただし、それだと「伝説の10倍エンジニア」にはなれない。
The mythical 10x engineer

AIコーディングが出てくる前の逸話として、通常のエンジニアの10倍の生産性を持つエンジニアという寓話がある。
ここで登場する神エンジニアは、要するに「普通の人がやる90%の無駄な労力を行わない」という話で、AIコーディングを使っていようがいなかろうが「無駄な労力」を人間が行いがちだというのは不変である。
つまり、AIの使い方を学ぶだけでは命令する側の最適化に到達できないのである。

今はAIコーディングの黎明期なのでプロバイダの投資によって格安でAIが使え、その利活用に関してもフロンティアとみなされるが、それにかかるLLMコスト(業務フル活用なら最低でも2万円)やAI自体の学習コスト、およびガバナンスの強化によって膨れ上がる企業としての雑費/人件費が経営者の目に止まった時、ギュられるのは生産性を出せないAIエンジニアであり、将来進化するDevinやHermesAgentないし自律行動系AIエージェントにリプレースされない保証も無い。

この3つがAIコーディングにおける生産性向上に寄与するが、AI学習として大衆から人気を集めるにはコンテンツ力が低いので表立ってこれを教育する教育者は居ない(目につかないだけで実践している教育者の方がいたらごめんなさい)

ただこれを新人の部下に対してAIと同じように「ペアプロですぐに違うと言い」「AI使ってこれしか出来なかったの?と詰め」「お前が出来ないなら俺が全部やる」と接した瞬間ロジハラ認定されて社会的な死を迎えてしまうので間違ってもこれを人に向けてはならない。

内省を心掛ける。

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